少し前にニュースにもなっていたけれど、LNGタンカーが、ヨーロッパから東アジアへ、初めて砕氷船のガイドなしに北極海航路を通って航行したとのこと。
First tanker crosses Northern Sea Route without ice breaker (BBC)
とは言ってもこのタンカーChristophe de Margerieは、世界初の砕氷タンカーなので、自分で氷を割って進んでいくことができる。
注目すべきは、このノルウェイ発韓国行きの航行に、19日しかかからなかったこと。スエズ運河経由の航行と比べると30%も短い計算になるとか。
ロシアは、ヤマル半島から東アジアへのガス輸送にこの船を活躍させたいみたい。
もちろん北極海の航路はリスクが大きく、保険料も高ければこの砕氷船を使うのも高い。加えて、北極海地域の環境へのインパクトに対する懸念も多くある。
海の環境保護活動を行なっている団体Seas at Riskは、30%のコスト削減が、非常に貴重で繊細な環境・生態系を脅かす価値があるのか、というコメントをこの記事にてしている。
ありきたりなことを言うと、地球は一つしかなく、一度破壊された環境、消えた生物たちを元の状態に戻すのは非常に難しい。そこまでして、経済効果を優先したいだろうか。でもロシアは気にしないかな。